小児、高齢者の口腔機能管理
小児、高齢者の口腔機能管理
- 口腔機能検査
- トレーニング指導
- 嚥下機能のサポート
食べる、話す、呼吸する。生きるための根本的な力を育み、守り抜く。
歯を治すだけが、歯科医療ではありません

生涯にわたる「お口の機能」をサポートする
歯科医院の役割は、虫歯や歯周病を治すことだけだと思われがちです。
しかし、お口には「食べ物を噛んで飲み込む(摂食嚥下)」「言葉を発する(発音)」「呼吸をする」という、人間が人間らしく生きていく上で欠かせない重要な機能があります。
近年、子供たちの間ではこれらの機能が十分に発達していない「口腔機能発達不全症」が、高齢者の間では機能が衰えていく「口腔機能低下症」が増加しており、社会的な問題となっています。
くつい歯科クリニックでは、単に歯の形態を回復させるだけでなく、これらの「機能」に着目した管理・指導を行っています。
「正しく食べる」「正しく息をする」「楽しく話す」。
この当たり前の日常を幼少期から老年期まで一貫して支えることこそが、地域医療を担う私たちの使命です。
小児の口腔機能管理
「お口ポカン」は病気のサインです
「口腔機能発達不全症」への取り組み
現代の子供たちに増えているお口のトラブル
最近、お口をポカンと開けているお子様をよく見かけます。
これは単なる癖ではなく、お口周りの筋肉や舌の使い方が正しく発達していないサインです。
柔らかい食事中心の生活や生活環境の変化により、顎が十分に育たず、噛む力や飲み込む力が弱い子供たちが増えています。
これを「小児口腔機能発達不全症」と呼びます。

放置することで起こるリスク
お口の機能が未発達なまま成長すると、将来的にさまざまな悪影響を及ぼします。
- 口呼吸になり、ウイルスに感染しやすくなる(免疫力の低下)
- 歯並びが悪くなる
- 滑舌が悪くなる
- 食事に時間がかかる、または丸飲みしてしまう
- 顎の成長が阻害され、顔貌(顔つき)に影響する
これらは自然に治るものではありません。
成長期にある今だからこそ、適切なトレーニングを行うことで正常な発育軌道に戻すことが可能です。
当院の取り組み:お口のトレーニング(MFT)
当院では、お口周りの筋肉や舌の動きを鍛える「口腔筋機能療法(MFT)」を行っています。
専用の器具や風船、ガムなどを使って、遊び感覚で楽しくトレーニングを行います。
- 舌を正しい位置(上顎)に持ち上げる訓練
- 唇を閉じる力を鍛える訓練
- 正しく鼻で呼吸する習慣づけ
これらを通じて、引き締まった口元と健康な呼吸、きれいな歯並びの土台を作ります。
また、必要に応じてマウスピース型の矯正装置「プレオルソ」を併用し、機能と形態の両面からアプローチを行います。
これらは健康保険が適用されるケースもありますので、まずはお気軽にご相談ください。
チェックリスト:お子様にこのような様子はありませんか?
- テレビを見ている時など、常にお口が開いている
- いびきをかく、寝ている時に口が開いている
- クチャクチャと音を立てて食べる
- 食事中に飲み物で流し込むことが多い
- 食べるのが極端に遅い、または早い
- サ行やタ行の発音がはっきりしない
- 指しゃぶりや爪噛みの癖がある
一つでも当てはまる場合は、お口の機能が正しく発達していない可能性があります。早めの対応が、お子様の健やかな成長の鍵となります。
高齢者の口腔機能管理
「オーラルフレイル」をご存知ですか?
飲み込みの力を維持し、肺炎を防ぐ
些細な衰えを見逃さない
年齢を重ねると、足腰の筋力が弱るのと同じように、お口周りの筋肉や舌の動きも徐々に衰えていきます。
「食事中にむせることが増えた」「硬いものが噛みにくくなった」「口の中が乾く」「滑舌が悪くなった気がする」
このような些細な変化を、歳のせいだと放置していませんか。
これは「オーラルフレイル(お口の虚弱)」と呼ばれる状態で、お口の機能低下の始まりです。
この段階で適切な対策を行わないと、低栄養や会話の減少による社会的な孤立、さらには要介護状態へと進行する入り口となってしまいます。

命に関わる「誤嚥性肺炎」の予防
高齢者の口腔機能低下で最も恐ろしいのが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。
飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、食べ物や唾液が誤って気管に入ってしまいます。
お口の中が汚れていると、細菌が肺に入り込み、肺炎を引き起こします。
日本人の死因の上位を占める肺炎の多くが、この誤嚥によるものです。
お口の機能を維持し清潔に保つことは、命を守ることに直結します。
当院の検査とリハビリテーション
くつい歯科クリニックでは、専用の機器を用いてお口の機能を数値化し、客観的に評価します。
口腔機能検査(保険適用)
以下の7つの項目を検査し、「口腔機能低下症」の診断を行います。
| 検査項目 | 内容 |
| 口腔衛生状態 | 舌の汚れ具合 |
| 口腔乾燥 | お口の乾き具合 |
| 咬合力 | 噛む力 |
| 舌口唇運動機能 | 舌と唇の滑らかさ |
| 低舌圧 | 舌の押し上げる力 |
| 咀嚼機能 | 噛み砕く能力 |
| 嚥下機能 | 飲み込む能力 |
検査結果に基づいた管理・指導
診断結果をもとに、患者様一人ひとりに合わせたトレーニングメニューを作成します。
- パタカラ体操(発音による筋肉トレーニング)
- 舌のストレッチ
- 唾液腺マッサージ
- 食事形態のアドバイス(刻み食やとろみ付けなど)
- 歯科衛生士による専門的な口腔ケア
当院の強み:介護事業との連携
生活の場を知っているからこそできる提案
当院は、法人内にデイサービス、訪問看護、居宅介護支援追加、有料老人ホームなどの介護事業所を併設しています。
日常的に高齢者の食事介助や口腔ケアに携わっているスタッフやケアマネジャーと連携できることが、最大の強みです。
歯科医院でのリハビリだけでなく、ご自宅や施設での食事の様子や栄養状態などを踏まえた、より実践的で生活に即したアドバイスが可能です。
「どのような食事なら安全に食べられるか」「自宅でどのようなケアを行えばよいか」
医療と介護の両面から、患者様の食生活をサポートします。

チェックリスト:ご自身やご家族に、このような変化はありませんか?
- お茶や汁物でむせることがある
- 食事に時間がかかるようになった
- 肉や硬い野菜を避けるようになった
- 口の中がネバネバする、乾く
- 食べこぼしが増えた
- 薬が飲みにくくなった
- 言葉が聞き取りにくいと言われる
これらは、お口の機能低下のサインです。
早めに気づきリハビリを開始することで、機能を維持・改善することができます。

一生涯、口から食べる幸せを守ります
「食べる」ことは、栄養を摂るだけでなく、生きる喜びそのものです。
子供たちにとっては体と心を育む大切な行為であり、高齢者にとっては生活の質を維持する砦です。
くつい歯科クリニックは、歯を治す場所であると同時に、この「食べる機能」を守り育てる場所でありたいと考えています。
お子様の小さなお口の変化から、ご高齢の方の飲み込みの不安まで。
どのような世代のお悩みにも、専門的な知識と技術で対応します。
「最近、子供の食べ方が気になる」「親の食事が細くなってきた」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。
美味しく食べ、楽しく笑い、元気に話す。そんな当たり前の幸せを、私たちが守ります。