噛み合わせ・顎関節症治療
噛み合わせ・顎関節症治療
- 噛み合わせ調整
- スプリント療法
- 顎関節のケア
お口の健康を支える「基礎」を整えるために
全ての治療のスタート地点
1本の歯ではなく、お口全体(全顎)を見る
歯科治療において、虫歯を削ったり被せ物を入れたりすることは日常的な処置です。
しかし、それらの処置が長持ちするかどうか、そしてお口全体の健康が維持できるかどうかは、「噛み合わせ」がいかに適正であるかにかかっています。
噛み合わせは、家で例えるなら「基礎」や「柱」にあたる重要な要素です。
どんなに高価できれいな材料を使って家を建てても、基礎が傾いていれば、やがて歪みが生じ崩れてしまいます。

くつい歯科クリニックは、痛い歯だけを見る「1歯単位」の治療は行いません。
お口全体を一つの器官として捉える「全顎(ぜんがく)単位」での診断と治療計画を立案します。
噛み合わせのバランスが崩れている状態で、悪くなった歯だけを治しても、原因が解決されていないため必ずまた別のトラブルが起こります。
根本的な原因である噛み合わせの不調和を整え、長期的に安定した口腔環境を作り上げることが私たちの使命です。
噛み合わせの不調が引き起こすトラブル
歯だけの問題ではありません
噛み合わせが悪いと、特定の歯に過度な負担がかかります。
これは歯そのものの寿命を縮めるだけでなく、顎の関節や全身の筋肉にも悪影響を及ぼします。
歯へのダメージ
特定の歯だけが強く当たると、その歯が揺さぶられ、歯周病が悪化しやすくなります。
また、歯にヒビが入ったり、詰め物や被せ物が頻繁に外れたり割れたりする原因にもなります。
知覚過敏が治らない場合も、噛み合わせが原因であるケースが多く見られます。
顎関節症(がくかんせつしょう)
噛み合わせのズレは、顎の関節に負担をかけます。
口を開けると音がする、口が大きく開かない、顎が痛いといった症状は顎関節症のサインです。
全身への影響
顎の位置がズレると、頭を支える首や肩の筋肉に緊張が生じます。
これが慢性の肩こりや頭痛、腰痛、めまいなどの原因となることがあります。
噛み合わせを治療することで、長年悩まされていた全身の不調が改善することも珍しくありません。
当院の精密診断と治療計画
感覚に頼らない、科学的根拠に基づいた診断
噛み合わせは、ミクロ単位の非常に繊細なバランスで成り立っています。
歯科医師の経験や勘だけに頼るのではなく、専用の機器を用いた客観的なデータ収集と分析が不可欠です。
フェイスボウトランスファーの実施

お口の中の状態を正確に再現するために、「フェイスボウトランスファー」という診断を行います。
これは頭の骨(顎関節)に対する上顎の位置関係を記録する操作です。
私たちの顎の動きは、顎の関節を支点として動いています。
模型上でその動きを正確に再現するためには、実際の患者様の骨格の位置関係を咬合器(噛み合わせのシミュレーター)に移し替える必要があります。
この工程を経ることで、より精度の高い診断と、身体に馴染む被せ物の製作が可能になります。
歯科技工士との密接な連携
治療計画を立てる段階から、歯科技工士の意見を取り入れています。
歯科技工士は詰め物や被せ物を作るプロフェッショナルです。
歯科医師の視点だけでなく、技工士の専門的な視点を交えてディスカッションを行うことで、機能的にも審美的にも優れた治療ゴールを設定します。
模型上でシミュレーション(ワックスアップ)を行い、完成形を予測してから治療を開始するため、手戻りがなく確実な結果が得られます。
治療方針のこだわり
「噛みながら治す」ことの重要性
噛み合わせの治療は時に大掛かりになることがあります。しかし、治療中であっても患者様の生活は続きます。
当院では治療期間中のQOL(生活の質)を下げないための工夫を凝らしています。
治療期間の短縮
事前の診断と計画を綿密に行うことで、実際の治療にかかる期間を極力短くします。
無駄な調整ややり直しを減らし、効率的に治療を進めます。
噛めない時間を作らない
歯を削ったり抜いたりする過程でも、仮歯(プロビジョナルレストレーション)を即座に装着することで「噛めない期間」が出ないように配慮します。
仮歯は単なる見た目の回復だけでなく、噛み合わせのリハビリテーションとしての役割も果たします。
仮歯でしっかりと噛めることを確認し、顎の位置が安定してから最終的な被せ物へと移行します。
常に「噛める状態」を維持しながら治療を進めることを大切にしています。
顎関節症の治療
顎の痛みや不快感を和らげるために
顎関節症は生活習慣やストレス、噛み合わせなど複数の要因が重なって発症します。
当院では原因を分析し、症状に応じた適切な治療法をご提案します。

スプリント療法(マウスピース)

顎関節症の治療で最も一般的なのが、マウスピース(スプリント)を用いた治療です。
就寝中に装着することで、無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減します。
また、顎の関節をリラックスできる位置に誘導し、筋肉の緊張をほぐす効果もあります。保険適用で製作可能です。
咬合調整(噛み合わせの調整)

一部の歯が強く当たりすぎていたり、顎の動きを邪魔していたりする箇所がある場合、歯をわずかに削って調整します。
ミクロ単位の微調整を行うことで、顎の動きをスムーズにし関節への負担を取り除きます。
被せ物による再構築
すり減ったり高さが合わなくなったりしている被せ物がある場合は、それらを作り直すことで噛み合わせの高さを正常に戻します。
生活習慣の指導
頬杖をつく、片方の歯だけで噛む、うつ伏せ寝をするなど顎に負担をかける癖を見直し、改善するためのアドバイスを行います。
歯科ボトックス治療
筋肉の緊張を解き放つ、新しいアプローチ
歯ぎしりや食いしばりが強く、マウスピースだけでは症状が改善しない場合や、顎の筋肉(咬筋)が過剰に発達している場合には「ボトックス治療」が有効です。

ボトックス(ボツリヌストキシン)とは
ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、筋肉の動きを弱める作用があります。
美容外科ではシワ取りなどに使われますが、歯科では「噛む力」をコントロールするために使用します。
強力な噛む力を抑制する
エラの部分にある咬筋(こうきん)という筋肉にボトックスを注射することで、筋肉の過度な緊張を緩和させます。
これにより無意識の食いしばりや歯ぎしりの力が弱まり、顎関節や歯への破壊的なダメージを防ぐことができます。
注射後、数日から1週間程度で効果が現れ始め、3ヶ月から6ヶ月程度効果が持続します。
期待できる効果
- 顎関節症の痛みやだるさの緩和
- 歯ぎしりによる歯の摩耗、破折の防止
- セラミックなどの被せ物の破損防止
- 肩こりや頭痛の改善
- 咬筋のボリュームダウンによる小顔効果(副次的効果)
当院の院長はこのボトックス治療における専門的なトレーニングを受けています。
安全な製剤を使用し、適切な部位と量を見極めて施術を行います。
外科手術などを伴わないため、ダウンタイムもなく手軽に受けていただける治療です。
歯ぎしり・食いしばりセルフチェック

一つでも当てはまればご相談ください
ご自身では自覚がなくても、歯ぎしりや食いしばりをしている方は非常に多いです。以下の項目をチェックしてみてください。
- 朝起きた時、顎が疲れていたり痛かったりする
- 歯がしみる(知覚過敏の症状がある)
- 詰め物がよく取れる、歯が欠ける
- 舌の縁や頬の内側に歯の痕(波型の痕)がついている
- 集中している時、無意識に歯を噛み締めている
- 肩こりや頭痛が慢性的にある
- エラが張ってきた気がする
これらは過剰な力が歯や顎にかかっているサインです。放置すると歯が割れたり、顎関節症が悪化したりするリスクがあります。
早めの対策がご自身の歯を守ることにつながります。
治療の流れ
初診からメンテナンスまで

1.問診・カウンセリング
現在の症状(痛み、音、開きにくさなど)や生活習慣、ストレスの有無などについて詳しくお伺いします。
2.精密検査
お口の中の診査、レントゲン撮影、必要に応じてCT撮影などを行い顎の骨の状態や噛み合わせを確認します。必要に応じてフェイスボウトランスファーを行い、模型上での分析を行います。
3.診断・治療計画の説明
検査結果をもとに現在の状態と痛みの原因をご説明します。
マウスピース療法、ボトックス治療、噛み合わせの調整など患者様に最適な治療プランをご提案します。費用や期間についても明確にお伝えします。
4.治療開始
計画に沿って治療を進めます。マウスピースを作製する場合は型取りを行います。
被せ物の治療が必要な場合は仮歯に置き換えて、噛み合わせのバランスを整えながら進めていきます。
5.経過観察・メンテナンス
症状が改善した後も定期的なチェックが必要です。噛み合わせは日々変化するものです。
マウスピースの調整や歯のクリーニングを行いながら、安定した状態を維持できるようサポートします。
費用について
症状に応じた最適なプランを
顎関節症の基本的な検査やマウスピース(スプリント)の作製には健康保険が適用されます。
ボトックス治療や精密な噛み合わせ治療(多数の被せ物をやり直す場合など)は自費診療となります。
ボトックス治療
1回 22,000円(税込)
詳細な費用については治療内容が決まり次第、事前にお見積もりを作成いたします。
正しい噛み合わせは、健康寿命を延ばします
「噛み合わせ」は目に見えにくい部分ですが、お口の健康、ひいては全身の健康を司る司令塔のような役割を果たしています。
ここが狂ってしまうと、いくら良い治療をしても砂上の楼閣のように崩れてしまいます。
当院では院長である私が「咬み合わせ認定医」としての知識と経験を活かし、責任を持って診断と治療にあたります。
「どこに行っても治らなかった」「原因不明の歯の痛みが続く」「顎が痛くて食事が楽しめない」
そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
正しい噛み合わせを取り戻し、不安なく食事ができる喜びをもう一度味わっていただきたい。そのために私たちは全力を尽くします。
